2023年度 夏期レポート課題


臨床倫理学的な能力を高めることを目的とした 夏期レポート 課題 (2023 年)

学生番号 1 の位と 10 の位の奇数偶数の組み合わせごとに定められた課題テクストをよく読みこみ、臨床倫理ケーススタディを行なうかのように、感じとったこと・考えぬいたことを書いてください。
分量
8,000 字以上 12,000 字以下。
提出期限
2023 年 10 月 23 日(月)12:30 まで(期限厳守)。
遅れた場合は 24 時間ごとに 5 点ずつ減点となります。
提出場所 
指定・連絡済みの提出箱

以下、授業中に行った説明を確認のため文字化し、細かな書式・体裁(13.項)を追加で明記いたします。

基本的な注意事項
1. 課題のねらいは、みなさんの臨床倫理学的能力を高めることです。前期の授業を振り返って、なぜ小説を読むことが臨床倫理学的能力を高めることになるかを改めて確認しつつ、課題に取り組んでください。
2. あくまでテクストに対するみなさんの「読み」を綴っていただきます。当のテクスト・登場する人物の生きざまから離れて自分自身の思い出や人生観・世界観を綴ることがないように注意してください。それは教員の関心の対象外です。
3. 狭い意味での文学のレポートではありません。文学研究者が行うように文学の作家論や作品論を書こうとしないでください。それは課題の目的外のことです。解説書や評論からの引用、作者や時代背景などについて誰でも調べられることについては書かないでください。
4. 上記 1〜3 について無理解な場合、書き直し再提出をしてもらうことがあります。再提出された場合のレポートの評価は、最高でも 60 点どまりとなります。
5. 分量にかかわらず、剽窃が判明したときには「医の倫理学」の単位を認めません。言うまでもないことですが、レポートを再提出する資格、再試験の対象となる資格もありません。剽窃とは何かがわからないという人はすみやかに調べてください。自分のしたことが剽窃に当たるとは思わなかったという事後的な申し開きはまったく無効です。
6.生成 AI の使用は固く禁止します。使用した場合は剽窃と同様の対応を行います。疑わしいレポートについては、ソフトウェアを用いてチェックを行います。
7.ケーススタディ授業の際に同級生と意見交換することには教育上の大きな意味があります。また、課外でも小説、映画や演劇を多く味わい、その読みをめぐって友達と意見交換することが臨床倫理的能力を高めることについても常々説いています。しかし、このレポートはあくまでも個々人の評価にかかわる課題であり、試験に準ずるものですので、お互いに知恵を出し合ったり、同級生のレポートを参考にしたりする行為は想定も推奨もされていません。こうした行為は厳に慎み、独りで考えて書いてください。似たような着想や表現がみられた場合、精査することになります。
* なお、5.〜7.項にふれるおそれがある場合には精査目的で、成績公表後に、WORDファイルを提出していただくことがあります。

書き方・提出仕方についての注意事項
8. 必ず自分で考えたタイトルをつけて下さい。(例.「......を読んで」は不適)
9. 本文は「まとまり」ごとに節に分け、それぞれに小見出しをつけてください。
10. あらすじや、物語の展開を書く必要はまったくありません。もしも書いた場合には、分量外となります。「主人公がどこどこに行きだれと出会い、そこで何を話し、その意味は……」、「それから、どこでどういうことをして、……;、これが何を意味しているかというと……」式の、いわば絵巻を広げていくような、ないしは夏休みの絵日記風の書き方をすると、基準点未満の著しく低い評価になります。
11. テクスト本文からの引用は必要最小限にしてください。ただ単にどこの場面か、その箇所を指し示すだけのことなら、わざわざ引用をすることはありません。書き方を工夫することで、無用な引用を減らすことができます。必要な場合は「……」(23 頁) のように表してください。なお、なぜか「頁(ページ)」を「項」と勘違いする(そもそもどうやって入力するのか?)恥ずかしい例が毎年見られます。長く引用する場合は、「…… (中略) ……」として 1〜3 行程度に刈り込んでください。ただし、引用した箇所の意味がくみ取れるように、大切な部分を省かず残してください。
12. 学籍番号・名前ではなくコードネームで提出してください。コードネームは「数字 3 桁+文字列 8 字以内」でお願いします。文字列はひらがな、カタカナ、漢字のみを使用してください。なお、コードネームは成績を公表した後の授業の際にコードネーム表に記入していただきます。
13. 書式は Word 形式に限定。
書式は、上下各 25mm 左右各 22mm の余白で、1 ページあたり 40 字30 行、横書き、フォントは MS 明朝 11 ポイントに設定し、ページ番号をつけてください。
1 枚目を表紙として、レポートのタイトル、課題テクスト名とコードネームとを記し、本文は 2 枚目以降に書いたうえで、全体をプリントアウトしてホチキス止(左上一か所)して所定の提出箱に提出してください。


課題テクスト

学籍番号の 1 の位と 10 の位の偶数、奇数の組み合わせで課題テクストを分けます。
例)M2400028偶数偶数 M2500512奇数偶数 M2400109偶数奇数

偶数偶数  谷崎潤一郎 『猫と庄造と二人のおんな』 新潮文庫
奇数偶数  宮本  輝 『錦繍』 新潮文庫
偶数奇数  辻  邦夫 『安土往還記』 新潮文庫
奇数奇数  井上ひさし 『父と暮せば』 新潮文庫

*『父と暮せば』は映画化されていますが、舞台上演台本である原作と異なる表現があり、またみなさんの読みを大きく縛り狭めることが予想されますので、レポートを書き上げる前に映画作品をご覧になることはがまんしていただくのがよろしいと思われ、あえてここに注記いたします。

番外テクスト 末尾番号にかかわりなく、指定された課題テクストの代わりに選んでいただけます。
加賀乙彦 『宣告(上・下)』 新潮文庫
玄侑宗久『テルちゃん』新潮社/新潮文庫
澁澤龍彦『高丘親王航海記』文春文庫
イアン・マキューアン『贖罪』(小山太一 訳)新潮文庫
グレアム・スウィフト『ウォーターランド』(真野 泰訳) 新潮社クレスト・ブックス
ピーター・シェーファー「アマデウス」(倉橋健・甲斐萬里江訳)『ピサロ/アマデウス』ハヤカワ演劇文庫
ジャン・ジロドゥ「トロイ戦争は起こらない」(鈴木力衛・寺川博 訳)『ジロドゥ戯曲全集 3』白水社/『トロイ戦争は起こらない』(岩切正一郎 訳)ハヤカワ演劇文庫
G・ガルシア・マルケス『予告された殺人の記録』(野谷文昭 訳)新潮文庫